所謂「あるある」、インスペクションで良く見かける被害箇所を今回は紹介します。

No.1 基礎クラック

先ずは何んと言ってもNo.1は「基礎のクラック(割れ目)」
「えっ、割れ目ってそれ大丈夫なの?」 そう思う方も多いと思いますが、30年も今から遡るとそもそも鉄筋すら入っていないコンクリートだけの基礎のおうちもたくさん見かけるものです。

それが実は普通。

大規模リフォーム、あのテレビ番組でもたまに基礎を補強しているシーンを見掛けますよね。あれは基礎のコンクリートが凄く弱いからです。簡単に言うと、鉄筋の入っていない基礎「そもそも解体した方が良いのでは?」と言うのが設計士の基本的な判断です。仮に鉄筋が入っていてもピッチが荒かったり、適切な補強材が入っていないと割れが生じます。基礎コンクリートに風の通る窓の様な穴があるのをご存知でしょうか?そこには大抵その割れが発生しております。私も先ずはそこから見ますので、そこが割れているのが簡単に言うとごく普通の事です。この割れは放置するとそこから雨水などが基礎内部に侵入するリスクがあります。そうなると被害が膨らんでしまいますので、リスクの高い割れ幅の大きなものは埋めると言う対処が先ずは肝心です。

No.2 外壁の不具合

次にNo.2は「外壁の不具合」。子育てを経て、ふと我が家を見るともうボロボロ。そんなおうちは多いですね。30代で家を建て、外壁の塗装をしなくてはいけない時期には子供にお金が掛かります。そうなると放置を言う選択肢は当然の流れですね。そして子育てを終えた頃、家の外壁は劣化がかなり進行しております。

No.3 屋根の不具合

No.3は「屋根の不具合」 。外壁同様、メンテナンスをしないのか?する余裕がないのか?そんなおうちが多いので、当然屋根も何もしていないおうちが多いです。板金屋根の塗装の劣化、これもあるあるです。

No.4 家の傾き

そしてNo.4は「家の傾き」。これは何故か?いつも考えます。
増築が原因だったり、そのそも使っている部材が細かったりでこれではこうなるよね、と言うケースも多いです。傾いていてもそれがシロアリなどによる害の為とは言えないぐらい、傾きは見かけますね。そもそも私の若い頃は構造の検討もせずに建てていた住宅もありましたので。大きな建築物と違って、皆さんが購入する住宅には特例が認められておりまして、構造については何か検査などがある訳ではありません。恐らく消費者の方は「え!」と感じると思いますが、そうなんです。
よってそれぞれの住宅会社のスタンスによります。大手さんなどは全て計算して建てておりますが、あの計算はいかに材料を細く済ませて建てるか?と言う計算だったりもしますので、一概にそれが良いのか?それも何んとも言えません。

No.5 床下の腐朽(ふきゅう)

そして最後は「床下の腐朽」。皆さんが心配されるシロアリなどの被害。これはそんなに頻繁ではありません。

でも無い訳ではない。

そこが検査しないと心配な要因でもありますね。
蟻害が無くても床下の環境が湿気ていたり、ゴミが落ちていたり、その程度の事であれば逆にNo.1かもしれません。「その程度?えっ?」そうなんです。消費者の方からすればそう思うでしょうが、床下や屋根裏はゴミのオンパレードです。これ、結構あるあるです。悲しい現実です。日本人の実態!?大工さんにはそういったことをする方が大勢居た、いえいえ、まだまだ居るという事です。